今回ご紹介させて頂きたいのは、『JOJO’S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN』です。
荒木飛呂彦先生原作『ジョジョの奇妙な冒険』第3部のスピンオフ小説です。
小説の執筆を手掛けているのは西尾維新氏。
電子書籍化は2022年7月初旬現在行われていないようです。
※これ以降はこの小説(『オーバーヘブン』)のネタバレがありますのでご注意下さいね。
あらすじ
『ジョジョ』第6部『ストーンオーシャン』に出て来て、承太郎に燃やされたあの『ノート』の中身です。
正しくは、その燃やしたノートが技術者によって復元されたもの、ですね。
その中身はDIOがつけていた日記で、DIOの視点から見た『ジョジョ』第3部といったところでしょうか。
第3部で起こった出来事をDIOが日記に残している体裁が取られています。
第3部の現在進行形中にDIOが残した日々の記録と、第1部での石仮面やジョナサンとの出来事を振り返りつつ、『天国に行く方法』を模索している…そんな内容だと思います。
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みどころ
西尾先生独自の『ジョジョ』の設定の解釈が面白いな~と思いました。
以下はその一部です。
DIOの母親と天国
DIOが天国に行くことに固執しているのは、DIOの母親がかってもっていた「何があろうと気高く誇り高く生きていれば天国に行ける」という信念が影響している?
→DIOは否定してるっぽいですが…。「気高く生きる」というワードは、『ジョジョ』第7部のディエゴの母親のことも彷彿とさせてくれますね。
『14の言葉』の由来
天国に行くために必要な『14の言葉』は、幼いDIOが母親から繰り返し歌ってもらっていた子守歌の歌詞。
なので、DIOにとっては忘れる心配などない。
DIOの子供
DIOは世界中から『食事』として献上された若い女性の中から『見込み』のある者に子を身ごもらせた。
『悪意』のある女性を選んだが、DIOの身体はジョナサンの身体でもあるため、受け継ぐ血の部分によってはどんな子が生まれるのかも心配してました(笑)ジョルノ…
聖女
DIOが聖女と称するのは、DIOの母親、エリナ・ジョースター、空条ホリィたち。
聖女はいつもDIOの邪魔をするので、子を身ごもらせる相手も聖女ではいけなかったとのことです。
ちなみに、ポルナレフの妹の「シェリー」の名は「愛」を意味するんだっけ、と記述されています。トゥートゥートゥマシェリーマーシェーリー
プッチがスタンドに目覚めた理由
プッチがスタンド能力を発現させたのは、DIOが『弓と矢』で射抜いたからだそうです。
そういえば第6部『ストーンオーシャン』ではプッチがスタンドに目覚めた理由は描いてなかったわね。
(スタンド発現の瞬間の描写がないのはプッチに限ったことじゃあありませんが)
DIOの女性の好み
エンヤ婆が「いっそのこと、さっさと空条ホリィを殺してしまえ」と提案する場面があるのですが、それを聞いてDIOはエンヤ婆のことを「父親(ダリオ)が可愛く思えるほどのゲス」と評価しています。
そして、母親やエリナのような聖女よりかはよっぽど私(DIO)の好みであるとのこと。
OVA『ジョジョ』のエンヤ婆は若かったりしますし、彼女とも子を残しておけば良かったのでは…(笑)
参考URL(当サイトの記事です)↓
コーヒーガムとイチゴのケーキ:若い頃のエンヤ婆をアニメで確認した話
DIOがさっさとホリィを殺さなかった理由
早々にホリィに手をかけてしまえば、エリナにキスをしたせいで力を引き出させてしまった(成長してしまった)ジョナサンのように、承太郎やジョセフも強くなってしまうかもしれない、とDIO様は危惧されておりました。
反省していたんですね、昔のこと。
別の『ジョジョ』の部のスタンド使いの登場
プッチの他にも、『ストーンオーシャン』からはスタンド『マンハッタン・トランスファー』の本体のジョンガリ・Aの名前が出てきます。
ジョンガリ・AはDIOがプッチにボディーガードとしてつけたスタンド使いとのことです。
『矢』を発掘した少年
エンヤ婆が『矢』を手に入れたルートとして、「ディアボロという少年から買い取った」とDIOに話していたことが明かされています。
(青年でなくて少年というところが気になったのですが(笑)、ドッピオと入れ替わって交渉していたのかも)
DIOは『生きれいれば』スタンド使い同士の引かれ合う引力を信じてディアボロに会ってみたいと考えていたようです。が、先にDIOの方が
空裂眼刺驚(スペースリパー・スティンギーアイズ)
『空裂眼刺驚(スペースリパー・スティンギーアイズ)』の名づけの親は「波紋使い」であることが明言されています。
DIOはスト様が空裂眼刺驚使ったの知ってたんですかね…w
(ついでに、スト様がDIOにひそかに憧れてたこともディオの時に悟ってたりしたのでしょうか)
両手が右手の理由
DIOは過去に別の生命同士を合体させる実験も行っていた。
ゾンビの手を人間に組み替えることもしており、その時に両手とも右手にしてしまった存在もいるのかもしれない。
その生命の子孫がエンヤ婆やJ・ガイルなのかもしれないとのことです。
なお、ヌケサクは後頭部に女性の顔をひっつけてできたデザインのゾンビであるということです。
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まとめ(評価は?)
DIOの視点から見た『ジョジョ』第3部ということで、「あの時DIOはこんなことを想っていたのか~」ということがうかがえるこの小説。
個人的には、西尾氏独自の『ジョジョ』の解釈がとても興味深く読むことが出来ましたというのが感想です。
「刺客(スタンド使い)を承太郎たちに送ったけど、ダメだったかぁ~」と嘆くDIO様の姿も拝見することができるなど、DIOのこれまでとは違った一面をのぞくこともできる作品です。
興味のある方は是非手に取ってみてはいかがでしょうか!
ザ・ワールド・オーバーヘブン
『オーバーヘブン』の小説からは離れますが、『ジョジョ』のゲーム『アイズオブヘブン』には『ザ・ワールド・オーバーヘブン』というDIOのスタンドが登場します。
その能力は「真実を書き換える」というもので、DIO様、こちらをブンブン使いまくって『ジョジョ』シリーズ全体の物語をかき乱しに回ってます。
『ジョジョ』各部のキャラが垣根を越えてやり取りしていますが、ストーリーに破綻はなく、むしろ整合性が整っているので、こちらもオススメですよ!
他の『ジョジョ』スピンオフ作品
↓参考URL(当サイトの記事です)
コーヒーガムとイチゴのケーキ :【ジョジョ】クレイジー・Dの悪霊的失恋のみどころは?【スピンオフ】