荒木先生原作『ジョジョの奇妙な冒険』第3部『スターダストクルセイダース』は『ジョジョ』シリーズの中でも最もメディア化が多いので、ドラマCDも発売されています。
その名も、「集英社カセットブック ジョジョの奇妙な冒険」。
カセットって時代を感じるシロモノがタイトルにつけられていますが、カセットとCDの2つのメディアから発売された模様。
巻数は全部で3巻で、物語の内容は原作の第3部からいくつかのエピソードをドラマCD化したものと、一つだけこのドラマCDのために作られた完全にオリジナルのストーリーが存在します。
以下の項目から、そのオリジナルストーリーのご紹介をさせて頂きますね♪(覚悟はいいか?)
以下、第3部の原作及びドラマCDのネタバレがございますのでご注意をば。
ドラマCD版の各キャラクターの声優さんについては↓こちらの記事をどうぞ!
【ジョジョ】承太郎が波紋に覚醒?第3部のドラマCDを振り返る
幻惑の旋律~ストレンジ・リレイション!
第3部ドラマCDのオリジナルエピソードのタイトルは「幻惑の旋律~ストレンジ・リレイション!」
『ストレンジ・リレイション』というのが、このドラマCDオリジナルの敵スタンドの名前です。
漫画の第3部の時系列的には承太郎たちが『灰の塔』、『暗青の月』、『力(ストレングス)』、『悪魔(エボニーデビル)』、『黄の節制』らを倒した後の、インドのカルカッタでのことです。
J・ガイル戦の前の出来事として挿入されているようですね。
承太郎一行 In カルカッタ with…
カルカッタに到着し、宿を探す承太郎・ジョセフと花京院たちとで別行動中。
家出少女も登場しますよ。
ただし、なぜか名前が「不良少女」とクレジットされています(笑)
不良とまではいかないと思うんだけどな~(笑)
承太郎にちょっぴりラブなところもしっかり描かれていたりしますし。
ポルナレフに「お前さんのお目当ては承太郎なんじゃねぇのか?」と言われて、思わず
「えっ…?///」
と一瞬とまどいを見せる家出少女がかわいいです。
花京院に起きた異変
インドの街の活気っぷりに気圧されている中で、花京院たちはふと手回しオルガンを引く老人を発見する。
老人の奏でるメロディーは花京院曰く「心の隙間に音楽がねじ込んでくる不思議な感覚」だそうです。ココロのスキマって喪黒福造か
すると、老人のメロディーによってすっかり操られてしまった花京院は「た~りら~らら~♪」などと口ずさみ歌いながらポルナレフたちに襲いかかってきた!
(本当にターリラリララーとか言ってる)
タリラリラン状態になった花京院は、容赦なくハイエロファントグリーンを繰り出してポルナレフたちにエメラルド・スプラッシュを放つ。
なんなら、罪のない一般人にまでその被害は及ぶ始末。
一方でポルナレフとアヴドゥルは、こんな町中だし、味方の花京院相手に本気を出して戦うことができない。
ストレンジ・リレイション登場
視点が承太郎とジョセフ側に移ります。
ジョセフが地図を逆さにみていたなどのボケっぷりが原因で、二人は宿探しに難航していました。
そこで不良少女が、二人に花京院たちの身に起きた異変を伝えに来ます。
(結局アヴドゥルもポルナレフも操られました)
そこで承太郎たちの前に現れたのが、あの手回しオルガンのジジイでした。
このジジイ…もとい老人もやはりスタンド使いで、自分のことについてベラベラ話し始めます。
老人のスタンドは音のスタンド『ストレンジ・リレイション』。
スタンド能力者がスタンドで会話できるように、この幻惑の旋律はスタンド能力を持つ者だけに聴こえるとのこと。
承太郎たちから「DIOの刺客か」と聞かれるのですが、老人の答えはNO.
どうもDIOの手先ではないのと、タロットの暗示とは無関係である、先天性のスタンド使いであるらしいですが、そんな状況の中でなぜDIOやタロットの暗示について知っているのかは謎。
老後の楽しみは、ストレンジ・リレイションの音の能力によってスタンド使い同士がそれぞれの能力を駆使し殺し合うのを見る事とのことです。悪趣味にもほどがありますね。
そういえばこの老人の名前は不明です。最後まで名前らしきものを呼ばれることはありませんでした。(声優さんは旧波平さんである永井一郎さんです ドベテラン)
バトル
バトル開始。「年寄りだからって手加減はしねぇぜ」「いや、老人はいたわるもんなんじゃがのう」とか言ってる承太郎とジョセフのやり取りがおもろいw
しかし音は殴ったり切り裂いたりできないため、苦戦を強いられる承太郎たち…。
そのうちに周りの店が燃えだしたりして町はパニック、一般人にはスタンドは見えないので何が起きているかわからず戸惑うばかり。
ついには承太郎とジョセフも音の魔力に取り込まれて操り人形と化す…。
(承太郎まで「たらり~らら~」とか歌わされています 笑)
嘆く不良少女。そして勝ちを確信した老人は、
「勝ったッ!今日からこの漫画のタイトルは『ストレンジじじいの奇妙な冒険じゃ!」
などと『運命の車輪』のズィー・ズィーの時みたいなメタ的発言をかましている。
しかし…。
ハーミットパープルの逆襲
そこで、なぜか操られているはずのジョセフが老人に殴りかかる。
ジョセフは操られる前にハーミットパープルを出していたのですが、その時にイバラを老人のオルガンに絡みつかせていたのでした。
回せば回すほどハーミットパープルのツタはオルガンに絡みつき、もはやオルガンはまともな音を出すことはできない。
ということで、次々に正気を取り戻していく承太郎たち。
完全にもうジョセフのターンで、
「音のスタンドとは、CD文庫(このドラマCD)向けのいいアイディアだったじゃがな」とか、(何言ってんだ…w)
ストレンジじじいに向かって「次にお前は『頼むから許してください』と言うッ」
などと、ジョセフ・ジョースター節が炸裂。
老人はもちろん「頼むから許してください…あぁッ」と言いますが、時はすでに遅し、ジョセフのハーミットパープルによって成敗されるのでした。
その後
老人はもう歩くことも満足にできず、
「あたしゃ、お歳89歳になりましゅ…」などと、あきらかに先ほどまでと様子が違う。
もうオルガンという自分の武器はない…存在意義を失ってしまった老人から生命力は消えていた。
ここで、「音のスタンド『ストレンジ・リレイション』、老人ボケで再起不能(リタイア)ッ」というナレーションが入りますが、老人ボケでリタイアってw
その後、すっかり騒ぎが大きくなってしまったカルカッタの町にて、ジョセフはとりあえず
「レストランで一休みしよう インド名物チャーイでも飲んでなぁ」
とか言っている。(出た、チャーイw嬉しい)
それに対して、
「ホテルが見つからなかっただけだろ…やれやれだぜ」
という承太郎のツッコミで、今回のエピソードはおしまいです。
まとめ
メタ的要素なんかもさりげなく取り入れられたりしていて、このコミカルさやオチがなんとも第3部のバトルって感じで嬉しくなりますね。
このくらい面白い内容であれば、今からでもガンガン新しいドラマCDを出してもらいたいぐらいです。
『ジョジョ』第4部『ダイヤモンドは砕けない』のアニメBlu-rayもしくはDVDにはドラマCDが付属している巻もあります。6巻と最終巻の13巻ですね。
小説や漫画ではスピンオフ作品がいくつか発売されています。
お好みのストーリー展開のものが見つかるかもしれないので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
(パラレルワールドでのお話ですが)『ジョジョ』各部のキャラが部を越えてやり取りをしている『JORGE JOESTAR』。この小説を読破し完全に理解できる人はすごいです。世界に数人もいないんじゃあないか。我こそはと思う方はチャレンジしてみては。
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