荒木飛呂彦先生原作『ジョジョの奇妙な冒険』第5部「黄金の風」の主人公であるジョルノ・ジョバァーナの夢は「ギャング・スター」になることです。
ジョルノがギャングにあこがれるようになった背景には、恩人であるともいえる男が存在するのですが、この人物がまた結構謎に包まれているんですよね。
作中では名前や詳しい素性が一切明かされていないこの男は一体何者なのか?
今回はこのことについて考察させていただこうと思います。
ジョルノが「男」と出会った経緯
ご存じの通り、ジョルノはDIOの息子。
(おそらく、読者の方がジョルノよりこの件については詳しかったりして…あんまりジョルノはDIOのことについて気にしていないようなので…?)
DIOにとって女性は食料でもあったわけですが、ジョルノの母親が生き残ったのは「承太郎がDIOを倒したため」であると、荒木先生もおっしゃっていました。
(『ジョジョ』第5部のゲーム「黄金の旋風」の攻略本「黄金の旋風のすべて」より)
攻略本「黄金の旋風のすべて」には、荒木先生ご自身が漫画の第5部について語る長めのインタビューも掲載されています。
「黄金の旋風」は音楽(サントラ)の評価も高いですよね…!
さて、DIO亡き後、ジョルノの母親はイタリア人の男と結婚。
この父親から暴力を受けていたジョルノは相手の顔をうかがうような子供になり、それが祟って周囲の悪ガキどもからも標的にされていました。
しかしある日、運命の時が訪れます。
幼い頃のジョルノがいつも通り学校から帰宅していると、その道で血だらけになって倒れている男を発見。
さらに向こうからは、その男を探しているような怪しい男どもがやって来ました。
怪しい男どもは「血だらけの男を知らないか」と聞いてきましたが、ジョルノは「あっちへ行ったよ」とウソをつきます。
自分と同じくひとりぼっちであと感じたその男のことをかばったのですね。
後日、血だらけだった男は回復し、再びジョルノの前を訪れます。
そしてジョルノに、「君がしてくれたことは忘れない」と告げるのでした。
そこから義父や悪ガキどものジョルノへの攻撃は、ピタリと止まったのです。
その正体はギャングであった男が、いろいろ手をまわした結果なのでしょう。
過去には夜に一人残されて遊びに行かれるなど、母親からすらも愛情をロクな愛情を受けることがなかったジョルノでしたが、このギャングの男だけはジョルノのことを「一人の人間」として、敬意を示した付き合いをしてくれたのでした。
親から教わることのなかった「人を信じる」ということをこの男から学んだジョルノは、やがてギャングの世界にあこがれ、「ギャング・スター」になることを夢見るようになるのです。
なお、ジョルノの本名は、おそらく母親の姓である「汐華初流乃(しおばな はるの)」。
名前に女性らしさがあるのは、当初荒木先生は第5部の主人公も女性にするつもりだったそうで、その名残があるのでは?と当時の荒木先生の担当さんがお話されています。
(『JOJOVELLER(ジョジョベラー)』に同梱されている「ヒストリーブック」より)
『ジョジョ オールスターバトルR(ASBR)』にもジョルノをはじめ第5部のキャラは参戦中!なんと、暗殺者チームからプロシュート&ペッシ、ギアッチョ、リゾットでもプレイすることができます。
ジョルノのあこがれの男も登場してほしいですよね…!
「男」の正体は?アニメでの声優さんは誰?
結局、マンガの中ではこの男については「ギャング」であること以外まったく明かされることはありませんでした。
TVアニメ版の「黄金の風」では、もう少しギャングの男についての描写が追加されていrます。いわゆるアニオリ(アニメオリジナル)ってヤツですね。
アニメでこの男は「男X」とクレジットされており、声優は白熊 寛嗣(しろくま ひろし)さん。
白熊さんは『リコリス・リコイル』にもご出演されているようですよ!
アニメで追加されている部分は、幼いジョルノにアイスクリームを(店主越しに)オマケしてあげているという微笑ましいエピソードなどと、もう一つはギャングらしく銃を向けられている現場のシーン。
男は、「お前が父ちゃんを殺したんだろ!」と叫ぶ少年から銃を突き付けられます。
男が少年の父親を殺した理由を述べると、少年はついにその引き金を引きます。
しかし、何度引き金を引こうと銃は発砲されない…。少年も不思議に思い、「なんで弾が出ないんだ!?」となきわめいていました。
ここ、さらっと描写されているのですが、な~んか引っかかる部分があるような感じがしませんか?
この弾が出なかった理由もまた、アニメではまったく描かれていません。
これは私の勝手な予測ですが、実は男もスタンド使いであり、スタンドを使って銃が発砲しないようにしたとか…?
それか、ジョルノは幼い頃からスタンド(『ゴールド・エクスペリエンス』)の能力を無意識の中に発現していたそうです。
こちらは漫画の中でも描かれていたことなのですが、血だらけになった男を最初に発見した時には『ゴールド・エクスペリエンス』の能力で草を伸ばして隠し、追手からかくまっていたのです。
なので、ここでもジョルノが無意識のうちにスタンドを発動し、銃から弾を出ないようにしていたのかもしれませんね。
『ジョジョ』シリーズの中でも、特に第5部は物語の補足的なアニオリが豊富で、より物語に深みが与えられていると思います。
『ジョジョ』の中で一番第5部が好きな私も大満足な出来です!
「男」のその後は?
男のその後についても、漫画やアニメでは一切描かれておらず謎です。
ジョルノとの交流は続いていたりするのでしょうかね?
以下、どっちの説でも考察してみました。
・続いている→作中の見えないところで、成長したジョルノと男はやり取りをしているかもしれない。幼いジョルノをギャングの世界へは入れないようにしていた男ですが、実際にジョルノがギャング組織に入団し、果てはその頂点に上りつめたことを知ったらどんな顔をするのでしょうか(笑)
・続いていない→ジョルノの成長過程で、仕事か何かで遠くへ行ってしまった。もしくは任務の途中で殉職(死亡)してしまった。
死亡説はできれば信じたくありませんが、ギャングの世界は厳しいので…。
まとめ
以上ここまで、ジョルノのあこがれのギャングの男の正体について考察をさせていただきました。
この男との出会いがジョルノの運命を変えたと考えると、なんだかすごく感慨深いものがありますね。
『ジョジョ』第6部「ストーンオーシャン」でもDIOの息子は登場しますが、彼らはジョルノのように運命を変えてくれる存在に出会うことはできませんでした。
そう思うと、なんだか余計に…人生ってホントに不思議だ~。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
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