【※ネタバレ注意】南の国のカンヤダを読んだ感想【ジブリ鈴木敏夫氏】 | コーヒーガムとイチゴのケーキ
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【※ネタバレ注意】南の国のカンヤダを読んだ感想【ジブリ鈴木敏夫氏】

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ジブリの新社長にご就任された鈴木敏夫氏の著作『南の国のカンヤダ』を読んだので、その内容のご紹介です!

※以下の項目からはネタバレにご注意ください!

カンヤダ氏は2023年夏に公開される予定のジブリ映画「君たちはどう生きるか」の登場人物のモデルであるとのこと。
吉野源三郎氏の著作における同名タイトルの作品とはまったく関係がないそうです。

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最初に

鈴木さんご本人曰く「僕はお節介な人」であり、未婚同士の男女を見つけるとほっておけず、彼らが結び付くと体中にエクスタシーが走るそうです。

2018年刊行の本書の時点で鈴木さんが気がかりにしているのは、通訳の「アツシくん」とカンヤダのことである。この二人はまだ現在進行形であるとのこと。

カンヤダとの出会い

鈴木さんとカンヤダのデアイはとあるエレベーターの中。
鈴木さんはカンヤダが過去に恋焦がれた女優の安田道代さんにそっくりで驚いた。
カンヤダは無愛想であったが、その瞬間に鈴木さんは自分を失ってしまった

その後は連絡を取りあって食事をするようになった。
(カンヤダは料理を食べると店の中に響き渡るような大きな声で「おいしい!」とか「まずい!」とか、「値段が高い!」と言うそうで注目を集める人であるとのことです…。)

カンヤダが来日した目的は母親のためにこちらの言葉を学んで日本で働きお金を稼ぐことだった。
カンヤダさんの実家のタイはニュースになるほどの大洪水の被害で大変なことになっていた。
が、カンヤダは1年ほど滞在した後に「日本は遊びに来るところだ」と判断して帰国する。

帰国後にカンヤダがスパをオープンするための資金は鈴木さんが用意した
鈴木さんはたまたまその時舞い込んできた「書」の仕事(100軒分の表札書き)で得たお金をそのまますべてカンヤダに贈った

ある時、カンヤダから生まれたばかりの赤ちゃんの写真と共に、「この子は父親がいない子だ」とLINEで送られてきた。

カンヤダの子供と旦那

子供は男の子だったが、カンヤダは事情を何も話そうとしない。一人で子供を産んだとしても、鈴木さんはカンヤダのことを嫌いにならなかった
「カンヤダのすべてを許す」とのこと)

カンヤダはどうもこの元夫のことを、話す人によっては違う言い方をしているそうです。
そういうことをする理由はカンヤダは話さないそうですが、鈴木さんは「何か理由があるんだろう」で片づけてしまっています。

その後タイで再会したカンヤダは涙を流す。鈴木さんがタイに来てくれるとは思ってなかったらが、どこかで必ず会えると信じていたそうです。

カンヤダのスパはうまくいかなかった。
鈴木さんはアツシくんに「今後カンヤダの相談に乗りつつ彼女の生きる道を作っていってほしい」と持ち掛ける。
鈴木さんはこのことを「変な仕事」と形容しています。
鈴木さんはアツシくんがカンヤダと初めてあった時、小さな変化を感じたそうです…。

しかし、カンヤダはアツシくんの意見は全否定するのでした(笑)
はじめ、アツシくんはカンヤダに屋台をしないかと提案。
それについてカンヤダは「やるのだったらちゃんとしたレストランをしたい」と答える。
アツシくんは苦労してそのための物件を探していたが、なんとカンヤダはアツシに黙って早々とレストランをオープンしてしまった
なぜ連絡をしなかったのかとLINEすると、カンヤダからは「忙しかった」と返ってきた。

カンヤダについて鈴木さんが知っていること

カンヤダは20代前半の時に1度40代の男性と結婚していたが、浮気が原因で別れている。
しかし、カンヤダはその男から籍を抜いておらず、苗字のサングスワンは元旦那のものである。
なぜ籍を抜かなかったかは不明。

故郷に帰国する時、カンヤダが鈴木さんにねだったのは「証明書付きのゴールド」であった。これは今後路頭に迷った際に金になるものがほしかったためである。
そして鈴木さんはカンヤダに証明書付きの「ちょっと高級なネックレス」をプレゼントすることに…。

帰国したカンヤダの部屋を片付けていると、そこには蘭の花が残されていたそうですが、鈴木さんの一番好きな花も蘭だそうです。運命を感じますね?

カンヤダとタイで再会し、別れのハグを交わした時にカンヤダは蘭の花びらを持っていた。
「別れはこうではなくては」「映画のワンシーンみたいな別れだった」とのこと。

カンヤダの幸福観

カンヤダの元旦那は妻とうまく行っていなかった(えっ、不倫されてたってこと…?)。
妻と離婚寸前の際にカンヤダと出会い、彼女は息子を身籠る。

カンヤダ曰く、「私の村の娘たちのしあわせとは、金持ちの男を見つけて結婚すること」とのこと。

レストランは最初は順調だったが、3ヶ月しないうちに客が激減したため、カンヤダは店を閉めたいと言い始めた。
開店までに散々苦労したアツシくんはこれを聞いて空いた口がふさがらなかったそうですw

実はカンヤダは、閉店したはずのスパを続けていたことを黙っていました。理由を聞くと「やめたら従業員がかわいそう」と言ったそうですが、これに対して鈴木さんは「かわいそうなのはカンヤダの方」と記述しています。
また鈴木氏は、「彩乃ちゃん」という友人に「カンヤダ以上の美人など一人もいなかった」と証言させています。
(カンヤダはファッションは「下着以外全部自分で考えてきた」そうですが、そんなとこまで本書に書く必要はあったのでしょうか…?笑
「考えてきた」の部分はちょっと意味がわかりません…)
(とにかく、カンヤダは美しくファッションセンスがいいと言いたいのでしょうかね?この箇所のすぐ後に書かれている「話を戻す」がいい味出してくれてます。)

ある日のカンヤダのLINEに「私は鈴木さんより先に死にたいから、私よりはやく死なないで、200歳までいきてほしい」というものがあった。
鈴木さんたちが言うにはこれは「名台詞」で、レストランがうまくいかなかったことについても「僕はいつも君のそばにいるから、また何かをやればいい」とのこと。

カンヤダに「何事もポジティブに」みたいなことを言うと、返事は「ポジティブに考えればお金になるのか」ということだったそうですwww

バンコクのトトロカフェ

次に思いついた計画というのが、バンコクのどこかでトトロカフェを経営するということ。
なお、バンコクではジブリの知名度はないそうです。
そんな中でもジブリがライセンサーとなり、計画は進められました。

開店にあたり、レストラン名は「メイのレストラン」と決まったそうですが、カンヤダもタイではメイと呼ばれていることが明かされる。
その後このレストランは正式にオープンしますが、本書の時点では「とりあえず」大成功だったそうです。
が、結局1年ほどのみで現在は閉店されたみたいですね…。

まとめ

本書では他にも、東京の浅草やディズニーシーなどに遊びに来たカンヤダさんの様子などが詳しく記載されています。
冒頭で書いたアツシくんとカンヤダの関係についてもたくさん書かれていますよ。

また、宮崎駿さんと鈴木さんが「高畑勲とは何か」について語っている章も。この部分にはカンヤダの影はありません。

興味のある方は是非手に取ってみてはいかがでしょうか!

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