スピッツ『ひみつスタジオ』メンバーさんによる全曲解説まとめ | コーヒーガムとイチゴのケーキ
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スピッツ『ひみつスタジオ』メンバーさんによる全曲解説まとめ

スピッツ
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「Liner Voice+SPITZ」にてスピッツのメンバーさんご自身が『ひみつスタジオ』の解説をしてくださっておりました!

今回は取材でも1曲ずつを解説するセルフライナーはなかったそうで、こうして番組でのスピッツメンバーさんご自身による「声での」曲解説も初めてであるとのこと!

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『ひみつスタジオ』のタイトルについて

「スピッツ今何やってんの?」と聞かれた時に「ちょっと今秘密の活動を…」と言うしかなかった。
それを象徴する言葉としての『ひみつスタジオ』。

レコーディングには2年半かっているそうです。

i-o(修理のうた)

「アイオー」と読む。(「呼び方は自由ですけど」とはマサムネさん)

『ひみつスタジオ』のジャケットにいるロボットの名前が「i-o」。

スピッツ『ひみつスタジオ』ジャケットのロボットと女性の名前は?

この曲を1曲めに置いた理由は?

曲自体はほぼ最後にできた作品であるそう。
「最後にできてなかなかいい感じに仕上がったなという曲で、一番新しい曲を1曲目にまず聴いてもらおうという感じもあるかなぁ。」

テツヤさんは「いやでも、これ1曲目だと思ったけどな」と猛プッシュ(笑)

いうのも、マサムネさんは収録の最後にいつもさらに良い曲を持ってこられるそうで、それは
「最後の方に出てくる曲は足りなかったものを埋めるためにっていう感じもあるから作りやすさにつながっているかもね」とのこと。

「ゆったりしたのないかも」ということでi-oが作られた。

この曲よりアートワーク(ジャケットのイメージ)の方が先であり、『見っけ』の頃からすでに考えられていたそう。「進んでいてああいうのにしよう」となった。

もう現在は「(『ひみつスタジオ』の次のアルバム)のジャケットもなんとなく浮かんできている」。

修理という言葉も「象徴的というか、いろんなものがちょっと不具合とかが世の中出てきて、とくにコロナ禍で。それをまた修理しながらやっていきましょうっていう歌」。

「何度故障しても直せるからと」という、誰かに言ってほしい言葉から始まる曲です。

元々タイトルは「i-o」が仮タイトルで、「修理のうた」を正式タイトルとするつもりだったが、みんな「i-o」と言いなれたために「両方を平均する形」で「i-o(修理のうた)」に「落ち着いた」とのことです。

(仮タイトルについては、最近はマサムネさんの歌詞も大分できあがってきているため、昔ほど仮タイトルからは変わることはないそうです)

跳べ

セルフプロデュースの曲。

アップテンポな曲なのでライブでの演奏が待ち望まれますが、「ライブでやるのは意外と難しいかも」とおっしゃられておりました。
それは2年半前に収録し、「最初の方に録った曲」であるため、「演奏が若いから」ということからだそうです。

「紫の夜を越えて」と収録した際に「もったいないからもう一曲録ろうか」というノリでレコーディングされた。

4人で久しぶりにスタジオで顔を合わせて収録された曲。

「嬉しくて半笑いで収録が行われたため、その気持ちがこの曲に出ている。」

そういう意味でこの時の演奏はこの時しかできないから、ライブでは「大丈夫かな?みたいな(笑)」

この「跳べ」はまずはアルバム用としてではなく、「バンドとしては楽しいんじゃないか」と行われたレコーディング。

それぞれの演奏からもその気持ちがあふれています!

ライブでは動きまくっていることで有名な田村さんですが「収録は座って録った」とのことです(笑)

大好物

タイアップの「きのう何食べた?」ありきの曲で、台本などを読んでイメージを膨らまされたとのこと。

「曲作る際にテーマがあるとすごくイメージはしやすいですね。」とおっしゃられていました。

マサムネさん的には自由に作ってくださいと言われるよりは「作品」に合う感じの方がやりやすいタイプであるそうです。
(「そっけない言い方をするとクライアントのご要望にお応えするみたいな」と言って周囲から爆笑を生み出していました 笑)

意外と「好きに作ってください」と言われることも多いそうですが、「一応元になる作品があるとイメージしやすい。しかも『きのう何食べた?』はすごく素敵な作品だったので。マンガも読んだし。」

美しい鰭

劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の主題歌ですが、
「俺らも『マジで!?』って思った。発表されるまでこの曲が受け入れてもらえるかドキドキした。
(コナンの映画の主題歌は)流れ的に事変でバンプだったので、その流れ的に『俺ら?』となった」そう。

それまではやはりコナンはB’zなどのイメージが強かったそう。

コナンの映画館で流れる曲だったのでドラムの(スネアの)音とかはこだわってドラムの﨑山龍男さん(﨑ちゃん)に作ってもらったそうです。

映画館で流れるには「パァン!」と大きく響いて欲しいそう。

マサムネさんは映画館にコナンのTシャツを着て見に行ったとのことです!
テツヤさん「アピールしてね。」
その際に曲の入る音のドラムのは正解だったなと思われたそうです。

そんな﨑山さんはコナンの映画を見に行くのはこれからで、「Tシャツを着て行った方がいい」と言われていました(笑)

この曲は3分30秒と短めなものなので、それに合わせてコナンのスタッフロールが早く作成されていたと感じられたそうです。
今回他の『ひみつスタジオ』の曲も短めなので、「美しい鰭」も「例外に漏れず」そうなっているとのこと。

田村さんと亀田誠治さんは「美しい鰭」の歌詞内の「小惑星」は「小学生」であると本当に思われていたそうです(笑)

というのも、歌詞は知らないままレコーディングすることが多く、歌録りの際に初めて「こんな歌詞で歌っているんだ」と気付かれるとのことですよ。

劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』主題歌「美しい鰭」CD発売中!

※収録曲の「祈りはきっと」「アケホノ」は『ひみつスタジオ』に収録されません
(私も手に入れてリピートしています。両方ともスピッツファンなら「迷わず聴いとけ!」な曲でした)

コナン新映画の主題歌はスピッツ!「美しい鰭」ってなんて読むの?

【スピッツ】「#コナンとスピッツ」ツイートまとめ

さびしくなかった

「君に会うまではさびしくなかった」というのは、クリント・イーストウッド監督の映画『ヒア アフター』に登場する超能力者のことを描いているそう。
超能力者ゆえに子供や友達がいない、気味悪がって友達になってくれない。
さびしい人だと象徴的に描かれているのが一人でご飯を食べているシーンで、それをイメージしながら作った。

他のメンバーさんはマサムネさんがそうしてこの曲を作ったことをここで話されるまで知らなかったそうで、「それを聞いてたらレコーディングも変わったかもしれない」とおっしゃられていました。
レコーディング前には「一人でご飯食べたのに…」とのことです(笑)
(「皆で背を向けて、冷たいおにぎりをね」とも… 笑)

「一人でご飯食べることをさびしいことだとは思わないけど、映画の主人公を見ている限りではさびしそうだなと感じた」とのことです。

(超余談ですが、『ジョジョの奇妙な冒険』第3部主人公の空条承太郎のモデルはクリント・イーストウッド監督。
『ジョジョ』作者の荒木飛呂彦先生とクリント・イーストウッドさんの対談が「JOJOmenon ジョジョメノン」に掲載されています。)

オバケのロックバンド

スピッツメンバー全員に歌唱パートがある曲。

スピッツ「オバケのロックバンド」歌唱パートまとめ【ひみつスタジオ】

テツヤさんは長く音楽活動していてもクレジットに「ボーカル」と書かれたのは初めてとのこと。

マサムネさん「目指せSMAPです。」テツヤさん「いや、ドリフです。」

作成する曲は、普通はメンバーの皆さんで選ぶそうですが、この曲は「これ歌ってもらうよ」とマサムネさんが言ってきた(みんなで選ばなかった)、やることになっていたという!

そんな中で他のメンバーさんが少しでも歌いやすいようにとキー設定もされているため、マサムネさんが歌うにはちょっと低い曲になっている。

歌詞の中では一人一人オバケになってもらっている。
「ドラキュラや狼男のようなキャラ設定を入れて『怪物くん』みたいな感じで…」

それぞれの歌唱部分の歌詞はマサムネさんが各メンバーにインタビューして作成したわけではない。(「もう(それぞれのことは)なんとなく知ってるし…」)

手鞠

この曲は『見っけ』の時からアイディアは出されていた。
が、雰囲気が『見っけ』とは違うと感じられて先延ばしになり、今回収録された。

「なんとなくだが歌詞がとっても今のスピッツぽいかも」とのこと。
それは1番と2番で群れに馴染めない自分と、でも一人はやだって自分と相反する部分など。
コロナ禍でよくわかったそう。
にぎやかな時は群れは嫌だったが、コロナ禍では一人も嫌だと感じた。
「ワガママな心というか…。」

未来未来

「これ俺、最初、その、Pro Toolsっていう作曲とかデモテープを作るソフトで色々サンプリングして遊んでたりしたんだ。
で自分で作ったリズムパターンにいろんな音を乗っけたりして。
ま、昔作ったヤツだとたとえば『ガラクタ』って曲、『醒めない』に入っている。
ああいうのもいろんな音入れるってアイディアで。

そん中の一つに民謡の声を入れた曲もあって、これ面白いな~と思ったけど、なかなかこう一つの曲のアイディアとしては固まらなかった。

ここにきてちょっと、もう一回ちょっと挑戦してみようと思って固めたんですけど。
民謡入れるんだったらサンプリングじゃなくって、ちゃんと歌ってもらった方がパワーはあるんじゃないかなと。

で朝倉さやさん、スピッツの曲をカバーして歌ってくれて動画とか挙げてくれてたので、たぶん断らないだろうと(笑)
たぶんオファーしても受けてくれるんじゃないかな?と思って。」

紫の夜を越えて

今回のアルバムでは一番古い曲。

「news23」のエンディングテーマで2020の後半にザ・コロナ禍の中で作られた。

「夜は変わらず明けるよね」という感じの歌にしたいなと。」

「ニュースの最後は社会情勢だったり戦争だったりよくないニュースも流れるだろうし、後は大谷くんがホームラン打つシーンとかもいろいろあるかもしんないし、どこに流れても大丈夫なタフな曲にもしたかった」とのこと。

「紫の夜を越えて」の話があって「レコーディングしようか」となったので、『ひみつスタジオ』の制作はここから始まっている。

サビのメロディーや歌詞が思い浮かんだのはマサムネさんが駅のエスカレーターに乗っている時だったそうで、皆がコロナ禍だけど出勤しなきゃいけないなどと動いてるのを見ていて思い出したように浮かんできたそうです。
「『浮かんだ浮かんだ』と思って、人のいないところまで移動してスマホでメロディーと歌詞の意味を入れたりしました。」

Sandie

「Sandie(サンディー)」というタイトルの意味は気になっている方も多いのではないでしょうか。
「Sandie」というのは元々仮タイトルだったのがそのまま正式に採用されたものだそうです。

「メロディーのアイディアなどは20年前からなどと、本当に昔からあった曲で、引っ張り出してきた。」

「リズムのパターンはサンディー・ショー(Sandie Shaw)というイギリスの60年代に人気だったシンガーの「Tomorrow」という曲に近いなと思って仮タイトルにそのままつけた。」

ファンクラブイベント(ゴースカ)で先に披露されていたが、その時にはレコーディングはすでに終わっていたとのこと。
(中盤に録音されていた)
「ゴースカで披露された時にはホーンのアレンジはなく、ホーンバージョンはこのアルバムで聴いていただけている。」

60年代のイギリスのポップスみたいなものあり、「レトロなチープさも狙っている」のだとか。

ときめきpart1

映画『水は海に向かって流れる』の主題歌。

タイアップの作品はけっして楽しいお話ではなく、意外とシリアスなので当初は悲し気な曲を浮かべていたが、映画の制作サイドからは「ポジティブな歌」というような要望があったのでポジティブ方向に軌道修正したとのこと。
さびしげながらもちょっとポジティブになれるような感じに。

ソロのバイオリンとの共演はこれが初めて(ストリングスはあった)。

葉加瀬太郎さんのコンサートを見に行ったりして「ソロのバイオリンもアリかも」と思われたそうです。

賛歌

仮タイトルは「アンセム」。「女性の讃美歌っぽい声を重ねて入れたコーラスが入っている。」

こちらもメロディのアイディアは昔からあり、これでもかというカノン進行。

マサムネさんは昔から讃美歌を聴くのが好きだったそうで、「そういう曲を一曲やってみたいなというイメージもあった」とのこと。

「いままでありそうでなかったかもしれない」曲とお話してくださいました。

この「賛歌」や「手鞠」をレコーディングした時期に今回のアルバムが「見えて」きたそう。(彩りな曲的みたいな)

「賛歌」や「手鞠」はスピッツならではかもとおっしゃられていました。
「ロックっぽい、あるいはバラードっぽい曲はスピッツ以外でも聴けるが、どっちともいえない曲こそがスピッツっぽいのかも。」

めぐりめぐって

セルフプロデュースの曲。

当初は1曲目候補として作られた曲。
それはアルバムの1曲目としてでもあるけど、ライブの1曲目に演奏するようなイメージとしてでも。
RCサクセションの「ようこそ」みたいな「みんなよく来てくれたな、みたいなそういう感じ(笑)」を1曲目で歌う曲にあこがれもあった。
そういう曲をいつか作ってみたいと思っていて今回作った。

レコーディングをしたは「i-o」と一緒に一番最後だが、当初はアルバムの1曲目を予想してたので、「そのつもりで今のスピッツを聴いてもらおうと」とのこと。
歌詞内の「ひみつのスタジオで」というフレーズは後から組み込んだそうです。

終盤で曲のテンポが変わるのはミュージカルっぽい感じのものがやりたかったそう。
「ミュージカルでこう急に遅くなったり歌い上げたりするじゃないですか。あれ大好きで(笑)」
こういったやりたいことはメモってあり、一つ一つ行っているそうです。
「今回やろうと思ったけどできなかったことは次のアルバムで出てくるかもしれない。」

 

スピッツ×junaida(ジュナイダ)さんによる絵本『ひみつストレンジャー』も発売!
(junaidaさんは絵本『怪物園』などで有名な方)

「猫ちぐら」も『ひみつスタジオ』に収録されませんでしたね。

25年ぶりの続刊「スピッツ2」は2023年5月10日発売!

スピッツが表紙&特集の『ロッキング・オン・ジャパン』2023年5月号は絶賛発売中です!

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