『ジョジョの奇妙な冒険』第8部「ジョジョリオン」に登場する「東方 花都(ひがしかた かあと)」についてまとめました!
出番は少な目ですが、花都さんもかなり重要な人物だと思う。
以下、ネタバレにご注意ください。
『ジョジョ』第9部「The JOJO Lands」は2023年2月17日発売のウルトラジャンプ3月号から連載開始です!
初登場
東方花都が初登場するのは「ジョジョリオン」の14巻。
最後と、常敏の過去が描かれる場面以外にはあまり出番がないため、「思ったより早く登場していたんだな」と感じる人も多いかも?
実は「ジョジョリオン」の中ボス的存在である田最 環(だも たまき)こと通称ダモカンが倒され、新たな展開に突入するタイミングで初登場を果たしていました。
背中に「STONE OCEAN」と書かれた囚人服を着ていたり、おだんごを二つ結っているヘアスタイルは、どこか『ジョジョ』第6部の主人公「空条 徐倫」を連想せずにはおられません。
14巻では花都が刑務所を後にする場面から東方家に訪れる間に、常秀が主人公の『ミラグロマン』のエピソードが挿入されています。こういった番外編的なお話もいいですよね。
東方家の妻
東方 花都は東方家の家長「東方 憲助」の元奥さん。
殺人罪による15年の刑期を終えた後はさっそく、東方家を訪れています。
長男である東方 常敏以外には出所することを伝えていなかったため、突然現れた花都の存在に家族たちは様々な反応を見せ、ちょっとしたパニックに。
次男の常秀なんぞは、「お前本当にオレの母ちゃんなのか?今からでもいいからそれ吸わしてみろッ」などと言いながら花都に絡んでいます…😅
長女の鳩は、花都が逮捕された時のことを覚えており、父の憲助と同様に母親のことは今でも許せない様子。
次女の大弥は当時幼かったため母のことを覚えておらず、「あたしにママがいたの?」と素直に驚いていました。
そんな子供たちのことを、花都は「あんたたちのことはずっと愛していた、忘れたことは1日もない、これからも!そんなこと決まってるだろォッがッ!」と涙を流しながら発言しています。
(余談ですが、「ジョジョリオン」のストーリーは「行き当たりばったりで書かれている」と言っている人もいたのですが、「花都(かあと→カードが名前の由来?)」から生まれた子供たちが「鳩(ハート♥)」や「大弥(ダイヤ♦)」なので、このあたりは荒木先生も最初の方から考えておられたのでは…と私は思うのですが、どうでしょ。
息子の嫁の名前が「密葉」(♣)で、その子供の名前は「つるぎ(♠)」だしね。
行き当たりばったりというか、荒木先生は「日記のように漫画を描いている」というようなことをおっしゃっていたのを見かけたことがあるような)
東方 花都の罪は〇〇
東方 花都は他人の家の子供を殺害した容疑で15年刑務所に入っていました。
常敏はまだ幼かった頃(11歳?)、同じ「アドベンチャー子供会」に加入している子供からイジメを受けていました。
そのクソガキは常敏を脅して花都の下着を盗ませたり、入浴中の写真を撮らせてくるなどといった卑劣なことを行わせていました。
これらのことが周囲にバレてしまったクソガキは、常敏に「東方家に火をつけて母親を焼いてこい」などと言い放ちます。
抵抗している内に、常敏のスタンド『スピード・キング』が発動。その能力がクソガキに致命傷を与えてしまいます。
この状況を知った花都は、クソガキがまだ生きているにも関わらず東方家の敷地内の「祠」にクソガキを運び、中で土をかけて生き埋めに。
(人生の比喩的な表現を兼ねた「このままこいつは地面の底に沈めてやる」ってセリフが印象的。
この時、常敏に言った「男次第で決まる女の人生なんてあたしはまっぴらごめんよ 自分で決めるわ でもあたしはね あなたの為なら生きれるわ」という言葉も。)
5年の月日が流れて、常敏が16歳になった頃。
愛好家の家から逃げ出したというカミツキガメをS市のアルバイト職員が捜索している時にに、白骨化したクソガキの遺体が発見されました。
クソガキの体からは花都のDNAが残されていたため、当時37歳の花都はお縄につくことに。
その後花都は、模範的であったにも関わらず減刑されることもなく、刑務所で15年間服役したのでした。
「男次第で決まる女の人生なんてあたしはまっぴらごめんよ 自分で決めるわ でもあたしはね あなたの為なら生きれるわ」
このあたりのエピソードは「ジョジョリオン」の16巻にて描かれています。
(セリフも同巻から引用)
花都と長男の常敏
花都が刑務所にいた頃から長男の常敏とは常に連絡を取り合っていたようで、常敏の「目的(東方家を繁栄させること たとえ黒いことに手を染めようと)」にいつも協力的。
常敏が新ロカカカの鉢植えをたった一人で隠し通していたことに限界がきていてうろたえていた時には、
「しっかりしろォッ!ウジウジしてんじゃあないよ そーゆーので夏休みを楽しく過ごせるのか?」
「心を決めろと言ったでしょ常敏!ひとりでやり抜くのよ…」
などと、彼の頬を打ちながら叱咤激励。
「枝に果実が1個でも実るまで」のあと少しのところを、「立派に登ってここまでたどりついたあなたのことが誇らしい」と称えながら応援してくれる花都の姿には、同じく何かを一人で頑張っている読者の心にもめっちゃ響いてくると思うのですが、いかがでしょうか。
(少なくとも私は勇気をいただきました)
(このあたりのエピソードは「ジョジョリオン」第27巻に収録。セリフもこちらから引用しています)
(「登ってここまでたどり着いた」という台詞は、16巻でクソガキを地に沈めた際にも花都さんが常敏に言っていた「人は生まれる場所は選べないけど、その場所で幸せになるように登って行く あなたはこの場所で登っていき、こいつは元々底にいるヤツってこと」という言葉にかかってたりするのでしょうか。なんかすごい。)
(「生まれる場所を選べない哀しさ」は『ジョジョ』第5部「黄金の風」のテーマと共通しているなぁということも考えてみたり。)
東方花都の最後は?
事件が発生した当時のことが描かれて以降、次に花都が登場するのは「ジョジョリオン」26巻の最後。16巻から、実に10巻ぶりの登場。
「ジョジョリオン」の最終巻となる次の27巻の「引き」として、最終2ページに姿を現しています。
どんな「厄災」の条理をも越えていく定助の『ソフト&ウェット ゴービヨンド』の攻撃を受けた透龍は、新ロカカカの実を食べ、突如東方家に現れた花都に触れようとする。
(「等価交換」で自分の傷を花都に移そうとしている)
花都が東方家に訪れたのは、常敏の好物の「インカのめざめ」を使用したクリームシチューを持ってきたのがきっかけでした。
花都はスタンド『スペース・トラッキング』の能力で隠していた新ロカカカの鉢の枝をすりつぶし、その樹液をその場につれてきた「東方家の病気」が発症しているつるぎ(常敏の息子)に飲ませる。
「等価交換」でつるぎの病を一身に受けた透龍の体はここで砕け散る。
これですべて終わったかと思われたが、『ワンダー・オブ・U』の「追う者に厄災で攻撃する」能力はまだ残されており、透龍の握っていたノコギリがいつのまにか花都の脇腹に食い込んでいた。
息絶えた花都や常敏に家族はパニックを起こすが、それでもこの絶望的な状況に康穂は希望を見ていた。
だって、呪いは解かれたのだから。病の消え去ったつるぎの頬は、つるつるに輝いていたのだから。
(「ジョジョリオン」は最初から伝えられていた通り、「呪いを解く物語」だったのです)
このあたりのエピソードは「ジョジョリオン」第27巻に掲載されています。
花都のスタンド『スペース・トラッキング』
花都のスタンドはトランプのカードの中(一枚一枚の隙間の空間)に物を隠せる能力を持つ『スペース・トラッキング』。
刑務所にも許可を得て持ち込んでおり、中に携帯電話を隠していました。
(もちろん、看守さんたちにはトランプがスタンドであることなど気付いちゃあいないでしょうが)
常敏が隠していた新ロカカカの鉢のことを父親(憲助)に打ち明けようか悩んでいた時には、「鉢植を隠したい時にはこうすれば良い」と、トランプを鉢に投げつけていました。なんとも頼もしいエピソードではありませんか。
『ジョジョ』シリーズはアニメ第5部までは31日間無料トライアルでも全話見放題で視聴が可能です(第6部と『岸辺露伴は動かない』は現在ポイント制)