カイジのスピンオフ漫画『上京生活録イチジョウ』を読んで私の思ったことや考えたことをまとめました。
以下、ネタバレがありますのでご注意ください!
『上京生活録イチジョウ』感想
一条に恋人が!?第12話「共振」&第13話「合鏡」
実は上京してまもなくツイッターのアカウントを作成していた一条。
(アカウント名は「イチ」。)
ツイートの内容は自己啓発系といった意識の高いものだが、一条がツイッターをする理由は、実は「誰かに見つけてもらって認めて欲しいから」だった。
(村上にはアウトプットのための「半分メモみたいなもの」と言って濁している)
フォロワーが増えずイラつく日々を送る一条に、ある日「一条のツイートに感心した」というメグという女性からDM(ダイレクトメール)が送られてくる。
メグはさらに「実際に会ってお話しませんか」と送信してくる。
戸惑いながらも3日後、一条とメグは待ち合わせの場所で対面を果たす。
一条は岡山、メグは香川で同じ瀬戸内出身であることを皮切りに、思いのほか二人の会話は弾み、一条は初めて自分の理解者を見つけたと考える。
帰宅後、メグから「来週また会いませんか?」というDMが。「是非行きましょう」と一条が返信して「次回(第13話)に続く」。
ここから第13話。
メグとの約束の日、メガネをかけていこうとしてやめる一条。
(「あまりにオシャレをしすぎて、メグさんから変な気を持たれても困るから。メグさんとは別にそういうんじゃない」という理由らしいですが…w)
新宿駅の南口で会ったメグからは「今日はイチさんに会わせたい人がいる」と言われる。
そうして紹介された桂という人物は、「これから自分の講演会があるから」と一条のことを誘う。
講演会の途中で、これはマルチの勧誘であると気付く一条。そして、自分をここまで誘導したメグへ強く不信感を抱く。
講演の後、さらに次の講義に勧誘してくるメグ。「次はいいかな…」と断る一条。
別れ際に一条は望みを賭けるように「(意識高い系の話をしたいから)今度また会える?」と切り出すが、メグの答えは「来週またセミナーだから、ごめんなさい」。
メグが去った後、一条は悔しさをこらえながら、「絶対成功してやる、その時お前ら(メグや桂)は仲間には入れてやらん」と決意するのであった…。
(この第12話と第13話はコミックス第2巻に収録。2巻には『カイジ』の三好が登場する話も収録されています)
メグはセミナーの紹介員だったんですね~。
一条に女の影が迫る、女性ファンなら少しドキッとした回ではないでしょうか(笑)。
前半の時点で「DMよこしてくる女性とか、普通に怪しいセミナーかなんかの勧誘だろ」とは私も想像していたのですが、まさかの「続く」が入って「えっ…?」と思わされました。
まぁ、結局はだいたい予想通りだったのですが、個人的にはあんまし福本作品で恋愛的な展開はいらないと思っているので…。
一条のカノジョは、一条を推しているファンの方たちであればいいと私は思ってます(笑)
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第24話「雪日」
珍しく雪が積もった東京。
一条も村上も嬉しくてたまらなく、我を忘れてはしゃぎたいところではあるが、外では大人の理性で抑える程度で遊んでいた。
そんな感じで雪が積もったこの非日常を楽しむ一条と村上。
早めに夕食のお鍋を作り始めたり、お風呂に入ったり(この日は「たまにはいいか」とシャワーでなくバスタブにお湯を張って入浴)。
夕食後はこの積雪のムードに浸って、大雪の中でスキー場のリフトに取り残されてしまう『フローズン』や『シャイニング』で映画鑑賞を楽しむ二人。
そのうち、雪は再び降り始める。
東京に住んで以来、いつの間にか支配されていた一条の心の中の喧騒を、雪がもたらす静寂さは吸収してくれるかのようであった…。
(この第24話はコミックス第2巻に収録。)
雪が降った日の楽しみ方が描かれた回。お鍋を食べるのいいなぁ。
雪が積もる前に、「積もらないなら最初っから降らなくていい、その思わせぶりが迷惑」と雪に対してイラつく一条の気持ち、めっちゃわかります(笑 私も滅多に雪が積もらない地方在住者なので…w) 。
雪の日に遊ぶ大人というテーマはたぶん『ハンチョウ』の方でも面白くできると思う。そんなネタかぶりが発生する可能性があるから、『イチジョウ』はあんまし連載が長く続くことなく終わってしまったのかなぁ~などと考えてしまったりして。
『イチジョウ』の方特有のテーマといえばバイト生活がありますが、それだけで何話も続けていくのは難しいか。
スーパーでのシーンで村上が言ってる「ポロ一」とは何ぞや?と思ったのですが、もしかして「サッポロ一番」のことですかね?食べたくなってきた。
最終話「再起」
「何年ぶりだ?」と思いながら大山の商店街を歩いている村上。
物語は一条が帝愛に就職する直前について描かれた前回(第47話)から何年か経過している模様。
村上のモノローグからは、「帝愛で一条が失脚した」ことが発覚。
この失脚というのは『カイジ』本編の沼パチンコの結末のことだと考えられますが、そうであるとはハッキリと説明されていません。
(他の件で失脚した可能性も…?)
そんな村上はというと、現在無職。
(実写映画『カイジ2』では、一条と一緒に村上も地下送りにされていましたね 笑)
思い出の場所である元バイト先(ファミレス「Joy Crew」)を訪れた後、村上はかつて一条と暮らしていた「さくらハウス」へと足を運びます。
気が付いたら、自分たちの住んでいた部屋の呼び鈴を鳴らしていた村上。
「自分でも何をしているんだろう」と考えながら、村上は現在その部屋で暮らしている若い男性の住人に「この部屋を譲って欲しい」と、金を出してまで頼みます。
もちろん、その住人はドアを閉めて拒否。
そこで村上は、「過去この部屋で住んでおり、同居人とは連絡が取れなくなっている」ことを打ち明けその場を後にします。
「その同居人(一条)が這い上がってくる時、帰還する場所はここしかない」ということを力説。
すると住人が再度出てきて「実はこれから元々引っ越す予定であった」と打ち明けられました。
その後また時が過ぎ、再びその部屋で暮らすことになったと思われる考えられる村上の描写が。
村上が電気もつけずにまどろんでいると、ふと何者かが外の階段を登って来る音がする。
村それに気付いて身を起こす村上。
部屋の扉が何者かに開けられ、村上が「一条さん…?」とつぶやいたところで、『イチジョウ』の物語は幕を下ろします。
(この最終話は2023年3月6日発売の第6巻に収録されると思います)
最後に一条の姿は描かれておらず、本当にドアを開けて帰ってきたのは一条であるのかは不明です。
…が、最終回でこんな演出をしておいて「一条じゃないですよ~んww」なんて展開だと冷めまくるので(笑)、素直に戻ってきたのは一条だと受け取っても構わないのかなと思います。
もう10年くらいの前に、福本先生と何らかの形で接近したファンの方が「一条は(カイジ本編で)地下に落ちた後どうなったのか」と聞いたところ、「一条は努力屋だから、もう地下を抜け出している」といったような返事をもらったとか。
あくまでファンの方がツイートでそうつぶやいただけなので、これが本当のことかは今でも不明ですが(地下労働1050年をすでに終了させてるとか、どんなレベルの努力屋なんだとかね 笑)、なんにせよ『イチジョウ』では彼は復活を果たしたのかと。
一条はこのさくらハウスで、またこれまでの『イチジョウ』のような生活を村上と送るのでしょうか?
いや、生活こそこれまでの『イチジョウ』のようなバイト暮らしにたとえ戻ったとしても、やっぱり帝愛での経験を経た今、絶対にどこか以前の一条とは異なるはず。
それってすごい前向きで、『イチジョウ』って希望のある物語だったんだな~と思わされます。
この漫画の中で一条が常に掲げていた目標は「成功すること」。それを達成するにはまだもう少し時間がかかるかもしれませんね…。
これ以降は漫画で描かれることはないかもしれませんですが、今後の一条にも思わずエールを送りたくなります。
一条と村上のこれからの生活であるとか、次にスピンオフの主人公に抜擢される福本キャラは誰なのかとか、色々と想像を掻き立てられます(笑)
(私はハンドルネームに頂戴したくらい『賭博覇王伝 零』の大好きな後藤利根雄様がいいな~、でもトネガワ先生とかぶっちゃうし、スピンオフのキャラは『カイジ』からが多そうだしな~。『黒沢』から中根のスピンオフがあったけど、こちらはその後どうなったんだ??)